OC1の構造はOC6と同様、船体(hull)、浮き(ama)、それらをつなぐiakoというシンプルなものです。船体の後方下に舵が付いていて、ペダルで操作をします。

●OC1の種類
OC1のメーカーには各社ありますが、ハワイの代表的なメーカーは、
Outrigger Connection
http://www.outriggerconnection.com/,
Kamanu
http://kamanucomposites.com,
Tiger Canoe
http://www.tigercanoe.com
などです。
速さと波の乗りやすさ、安定感を求めて各メーカー改良を重ね、続々と速いモデルを開発し、OC1はまだまだ進化の過程にあります。
カーボンやエポキシーなどを材質として軽量化をはかり、女性や子どもでも持ち運びができるようになりました。以前私が所属していたワイキキヨットクラブには、古い型のNaiaが三艇ありましたが、どれも非常に重く、担ぐにはパートナーが必要でした。
それに比べて最新モデルはほとんどが10キロ前後とぐんと扱いやすさがアップ!中国で生産しているハリケーンはハワイ産に比べると少しリーズナブルなので利用者は多いです。
ちなみに私のOC1も中古のハリケーン、1900ドルで購入しました。新品は3300ドルですから、かなり勇気のいる買い物ですね。

●収納と移動
全長6メートルの細長いOC1は、収納と移動があまり楽ではないのです。一番の理想は、海辺の家に住んでカヌーを担いだらすぐに漕ぎ出て行くこと。カイルアのカラへオ運河沿いの家には、無造作にカヌーやカヤックが置いてあって、いつでも気が向いた時に漕ぐ、というライフスタイルがうかがえます。
しかし大半の人はそういうわけにはいかず、コンドミニアムやアパートに住んでいる場合は、まずエレベーターや階段に持ち込めないので、カヌークラブで所有しているカヌーハラウや民間のストレージに収納することになります。いずれもスペースに限りがあるとか、月々$30程度の使用料が発生するので、大きな庭付きの家を持っている親戚、友人に預かってもらうというパターンも多いです。
移動するときは、車の屋根にラックを付け、くくりつけて運びます。とにかく長いので、運転には要注意。私の友人は、買ったばかりのOC1を車に載せてバックで駐車し、OC1を傷つけてしまったトホホな経験があります。友人の友人は、OC1のくくり付け方が悪く、運転途中に落としてしまったとか。OC1は高価な上、安全面でも問題になるので、こういうトホホは避けたいですね。 ●OC1の最適スポット on オアフ
オアフ島でOC1パドラー達を良く見かけるスポットは、アラワイ運河、アラモアナビーチ、カイマナビーチ、サンドアイランド、ケイヒラグーン、ハワイカイ、といったあたりでしょうか。いずれも水へのアクセスが大きなポイントです。車を降りて、細長いカヌーを担いですぐに入水できる場所が最適なのです。
アラワイ運河、サンドアイランド、ケイヒラグーンなどは波がなく、フラットなコンディションなので初心者でも安心のスポット。海に出るならもちろんどこからでも外洋には出られますが、マジックアイランド、カイルアビーチ、カイマナビーチ、ハワイカイがポピュラーです。
しかし何といってもオアフ島のOC1パドラーに一番人気のコースはハワイカイからワイキキ、あるいはアラモアナまで8~10マイルの距離を漕ぐ"ハワイカイ・ラン"と呼ばれるコース。潮の流れ、波の方向、風の動きすべてがうまく働いて、必死に漕がなくてもずっと波乗りをしている気分が味わえるハワイカイ・ランは、やった人しかわからない楽しさですよ!

>●OC1レースに出よう!
OC1のレースはオアフ島ではカナカイカイカ(
http://www.kanakaikaika.com/index.htm)というOC1レースのシリーズが開催されます。期間は1月にスタートし、4月第一週の州大会で幕を閉じます。OC1、OC2、サーフスキー、スタンドアップパドルで参加することができ、個人で速さを競うのです。
モロカイ~オアフ間のレースも、二人で交代して漕ぐリレーのレースと、ソロのレースが予定されており、これがいわゆるOC1の世界大会となります。参加者は年々増えており、そのうちOC6に取って代わってOC1がアウトリガーの主流になる時代が来るかもしれません。
今後もますます発展が楽しみなウォータースポーツで、日本人の活躍も期待したいですね。
2010年10月21日公開