特集:ハワイ・スポーツの達人 -ティム・マー (プロ・トライアスリート)-
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オアフ島ノースショア生まれ。父親はアイアンマン誕生初期に活躍したアスリート。幼少期にトライアスロンを始めるものの、高校生まではサーフィンに夢中になっていた。ハワイ島ヒロのハワイ大学に入学して数年後、トライアスロンの魅力に気づき、夜遊びをやめ、早朝にバイクやスイムのトレーニングに勤しむように。トライアスロンに真剣に取り組み始めたわずか1年後の2005年、プロに転向。現在大きな夢と、何か特別なことをしたいという情熱を胸に、プロのトライアスリートとして活躍している。
 
Q. トライアスロンを始めたきっかけは?

A. 僕が1歳のとき、父がオアフで開催された第2回のアイアンマンに出場したんだ。父のレースを見てすぐにトライアスロンのファンになって、大学入学のためにハワイ島に移るまで、いくつかの小さなトライアスロン・レースに挑戦してたよ。プロのアスリートのレースを見るため、父は僕をハワイ島に連れて行ってくれたこともあって、プロのすごさに感嘆することもあった。そうして僕は今プロとして、世界のベスト・アスリートたちと並んで、僕の故郷であるハワイ州のコナで、レースのスタートラインに立っているんだ。
ハワイ・スポーツの達人:ティム・マー
 
 
Q. トライアスロンの魅力について教えて。

A. シンプルに言うと、アドベンチャーやチャレンジがたくさんあるということ。子どものころからサーフィンを楽しんだり、泳いだり、山道を走ったり、とにかくアウトドアで運動をすることが好きだったこともあるけど、いつも次の冒険やチャレンジを見つけることができるのが、このトライアスロンの魅力だと思う。子どものころはプロサーファーになるという夢があったりしたけど、冒険心とチャレンジを併せ持つスポーツは、やっぱりトライアスロンだと思ったんだ。またレースではないんだけど、トライアスロンというスポーツに携わる人たちがいて、その人たちに出会えることが素晴らしいことかなと思う。たった1日の大会のために準備する人たちや運営する人たち、そしてヨーロッパや南米、オーストラリア、アジアなど各国から参加するアスリートたちと交流するのも本当に楽しいよ。
 
 
Q. 好きな大会とその理由は?

A. トライアスロンで最も素晴らしい一日は、アイアンマン・ハワイが行われる日だね。疑いの余地もないよ。アイアンマン・ハワイには、たくさんの感情や情熱、つらさ、そして興奮があるんだ。強いものだけが生き残れる最高のレース、そう、例えるならトライアスロンのスーパーボウルってとこかな。それからショート(オリンピック・ディスタンスのこと)もそれなりにタイムや集中力という意味で好きだけど、オアフ島ならホノルル・トライアスロンが好きかな。あのバイクコースは、いいね。
ハワイ・スポーツの達人:ティム・マー
 
 
Q. 普段どのようなトレーニングをしているの?

A. 好きなトレーニングは、ロング(長距離)だね。近くでいえば、タンタラスの丘を3ループバイクで走ることとか。あとはロングバイクのあとにちょっときついブリックランをやったりしてる。一番好きなコースは、ハワイ島のコナからハヴィにぬけ、コハラ山脈を抜けてワイメア、ワイコロアを通る120マイル(約192キロ)が。僕の一番好きな練習コースなんだ。自然の中で山道もあるし、とにかく空気が最高だよ。スイムは、いつも近くのカイマナビーチやアラモアナビーチで泳いでる。ハワイはどこのプールも無料だからハワイ大学や近くのパロロ・プール、時にはセントラル・オアフのプールにもいくよ。嫌いなのは、天気が悪い時のトレーニング。なぜだかわからないけど、寒さや雨は嫌いなのに、暑いのは大好きさ。
 
 
Q. レース前に行う儀式みたいなものはある?

A. パニックになるかな…、なんてジョークだよ。タイヤを何度も繰り返しチェックする。それからチャレンジの1日のために、自分に気合を入れるんだ。アイアンマンでは、勝てるかもしれないし、災難が起こる可能性だってある。それは誰にもわからないことだよ。僕の儀式は、いつもその瞬間を生きることさ。
 
 
Q. プライベートの過ごし方や、ハワイの好きな場所、普段よく行くカフェは?

A. 妻のマリアーニと過ごすのが一番のリラックスかな。あとはノースショアにサーフィンに行くことが多いね。タートルベイとかエフカイは、お気に入りのサーフスポットかな。よくマリアーニと一緒に、ボガーツに行くね。あのカフェの朝食は、本当においしいよね。練習しない日はよくコーヒーを飲みに行って、二人で2時間ぐらい過ごしていたりするよ。
ハワイ・スポーツの達人:ティム・マー
 
 
Q. これから始める人、またはすでにやっている人に一言アドバイスを。

A. まず、始めていない人へのメッセージは、どんな環境かは関係なく、まずやってみることかな。とにかくカウチ(ソファー)から立つことが大切なんだよ。トライアスロンをやったことのない人の多くは、なんでこんなきついスポーツをやるんだと思っている人が多いけど、本当に楽しいものなんだよ。アウトドアで運動をする気持ち良さ、例えば透き通った空気だったり緑の香りなんかを感じることもできる。また一緒にやる仲間が増えたりと、ライフスタイルが変わるかもしれないぐらい楽しいと思うよ。

日本のトライアスリートへのメッセージは、まずこの健康的なスポーツをもっと友達や家族に紹介してほしいね。奮闘していることだけでなく、とにかく楽しいスポーツなんだということをね。日本で知っている選手は、シラトタロウ、ニシウチヒロユキ、ファーストネームを忘れたけどマスダとかはよく知ってるし、皆ナイスガイだよね。
 
 
Q. 2012年の目標は?

A. 来年の目標は、ハワイ島コナで行われるアイアンマン・ワールドチャンピオンシップに出ること。いくつかのアイアンマン・レースに出てポイントを稼いで、出場権を得ていくんだけど、世界でも勝ち残ったアスリートしか出られないこの大会は、サッカーでいえばワールドカップみたいなものだからね。もちろんその中で上位を目指すためのチャレンジが一番の目標さ。
ハワイ・スポーツの達人:ティム・マー
 
 
インタビュアー A-1談:

ティムは、このインタビューの後、日本のハーフ・アイアンマンの大会に出場し、見事上位入賞。レース中の真剣な眼差しだけでなく、レース以外の彼の爽やかな笑顔には誰もが引き込まれる。ハワイのベスト・トライアスリートととして誰もが憧れる存在。パーソナルクリニックやグループレッスンなどでハワイの若きアスリートを育てる素晴らしいコーチでもあり、トライアスロンというスポーツをこよなく愛しているナイスガイだ。
 
 
主なレース結果:

[アイアンマン]
2007
 アイアンマン・コリア4位
2008
 アイアンマン・ワールドチャンピオンシップ15位
 アイアンマン・チャイナ3位
2009
 アイアンマン・ウェスタン・オーストラリア7位

[ハーフアイアンマン]
2009
 ハーフアイアンマン70.3 フィリピン5位
 ハーフアイアンマン70.3 ハワイ4位
2010
 ハーフアイアンマン70.3 ハワイ4位
2011
 ウォーターフロント・トライアスロン1位
 ラニカイ・トライアスロン1位
 ホノルル・トライアスロン1位
 ティンマン・トライアスロン1位
 ラヴァマン・ケアウホウ・トライアスロン1位
 
ハワイ・スポーツの達人:ティム・マー
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