クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016
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クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016

2016年3月1日   Number of views (2978) 

クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016

Aloha! スポナビレポーターのcocoです。オアフ島ノースショアのワイメア・ベイにてハワイ基準で30~40フィート以上の大波(日本基準で約12m)が入った時にだけ開催されるビッグウェーブ・サーフィン大会"クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ(通称 EDDIE)が2月25日に開催されました。今年なんと31周年目となるハワイでは誰もが知る伝説的な大波コンテストレポートします。

このエディは毎年定期的に開催されるわけではなく、前回の開催はなんと6シーズン前の2009年。波のサイズや風の状況など開催の基準が厳しく決められているため、31年間で今まで8回しか開催されていません。今冬シーズンはエルニーニョの影響でノースショアには幾度となく大波が押し寄せており、ついにエディの開催基準を満たす大波がやって来るというので地元も我家も大盛り上がり!しかも2月末日までの開催ウェイティング期間が残りわずか!と言うタイミングでの奇跡的な開催となりました。

クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016

エディがどんな大会かを簡単に説明すると、故人エディ・アイカウはビッグウェーブサーファーとして知られるノースショアのライフガードでした。1978年に星座や月の方向などだけを頼りに航海するポリネシアの伝統的なカヌー「ホクレア号」の航海中に遭難。大嵐の中エディは救援を要請するためにカヌーからサーフボードに乗って荒れ狂う海に漕ぎ出し、そのまま消息を絶ちます。彼の英雄的な行動と悲劇的な最後はハワイ社会において伝説となりこの英雄エディ・アイカウを称えて行われるのがこの大会なのです。

毎年大会のウェイティング期間が始まる12月1日には、招待選手が集まりセレモニーが開催されます。前回30回大会(2014~2015)のオープニングセレモニー(下の写真)。エディー・アイカウの写真とモニュメント(上左の写真)、招待選手の中で唯一の日本人のワキタ・タカユキ(右上の写真:右)とオーストラリアのレジェンドサーファー、トム・キャロル(右上の写真:左)。

クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016

実は2月10日にも"エディ開催(EDDIE GO)"と発表されたので、我家の長年の夢であるエディ観戦に向けて10日午前2時にノースショアへ。パーキング場所を確保して仮眠し1.6マイルを30分歩きワイメアベイへ。日の出前の真っ暗なワイメアビーチには既に15,000人を越えるであろうの人が集まり、座る場所も無い位の大観衆で皆が興奮気味。薄明かるくなって来た6時頃「あれ?波が小さい…?!」大会関係者がミーティングして朝7時過ぎになんと大会はキャンセル(延期)のアナウンスが…30~40フィート級の波がコンスタントに8時間以上続かないと大会は出来ないエディルール。過去に開催と発表されたがキャンセルになったことも3回あるそう。大会キャンセルのアナウンスでビーチ全体に大きなどよめきが上がったもののブーイングは全くありませんでした!皆がどれほどエディをリスペクトしてるのかを感じた瞬間でした。

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そして2月22日満月の日、ハワイに歴史的な冬のビッグスエルが届き島中が大騒ぎでしたが、波が大き過ぎたことと風向きが悪く22日はエディは開催となりませんでした。が、次のビッグスエルが届き始めて再びイエローアラートとなり、25日木曜日にエディ開催スタンバイのグリーンとなりました。実は我家は大会前日の24日にワイメアまで下見に行き準備は万全(笑)!

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そしていよいよ2016年2月25日。日の出前午前4時。月明かりに照らされたワイメアベイは、下見に来た前日や数時間前と違ってまるでエディが魔法をかけた?かのような力強い巨大な大波達が生まれて来ていました…。朝はどんより曇っていたがお昼前頃から太陽が降りそそぎ、絶好のエディ日和となり、今までのワイメアのコンテストで一番大きな波だったらしく一日大興奮!まさに''The day !''となりました!

各1時間×8ヒートと言う長時間の間、はるか沖に巨大セットが観えるとビーチは歓喜の渦となり、うまく波をメイクしても、痛烈なワイプアウト(失敗し波から落ちる事。死にも繋がる)しても、ワイメアベイ全体がまるで一つのスタジアムの様で、まさにサーフィン界の"スーパーボウル"となりました。

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ここでcocoの"エディ"大会ルール解説。この大会に出場できるのは世界中から選ばれたプロ中のプロや地元ローカルのライフガードなど大波乗り達28名のみで、各1時間ずつの7人ヒートが各自に2回あり、それぞれのヒートで一人4本を限度に乗ることができる。ジャッジの基準はより大きな波であること。険しい斜面も加味し、最も深いピークからドロップして、それの波をメイクしたサーファーに最高得点100点までの点数を与える。各2回のヒートの合計8本の波で総合計点数400点に最も近いものが王者となる。またエディには「波をシェアすること」という教えがあるので故意に他者を侵害しない限り妨害とはならない。

クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ2016

そして優勝はこのノースショアで生まれ育った若手サーファーのジョン・ジョン・フローレンス!幼い頃からパイプラインのチューブやこのワイメアの大波に乗り続けてきた若干23歳のトッププロが抜群のセンスと安定感でこの歴史的な大会を制したのでした。

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数日前にガンで亡くなったブロック・リトル(写真左:モニュメント)。親友のケリー・スレーター(写真:右)はブロックのためにどうしてもバレルに入りたくて、より危険の伴う短めのサーフボードで、ヒートの最後の波でバレルをメイクするというミラクルなドラマもたくさんありました。

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今年この大会が31回目。遭難したホクレア号の救助に向かい消息を絶ったエディ も享年31歳だったそうです。そしてエディの実弟のクライド・アイカウさん(写真左)は御年66歳。生涯最後の出場と発表して挑んだエディ。クライドさんが波に乗るたびにワイメア中が大歓声でしたー!表彰式では「エディも喜んでる」と最後は涙であいさつ。40フィートの巨大なあの波にガンガン乗っちゃうんだからかっこ良すぎるっ て~!

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母なる大地(Mother Nature)」大会中にジャッジが何度もクチにした言葉。母なる大地の地球が生み出した今回の大波。エルニーニョ、歴史的な冬のウネリ、満月あとの大潮。色んな要素がすべて重なって開催できた今回のエディ。出場した選手、レスキューチーム、ライフガード、テレビやウェブ生中継などの撮影チーム、クイックシルバーやアイカウ家の関係者など関わったすべての関係者をリスペクト!かっこ良すぎです!あの場にいれてあの感動と空気感を味わえたこと、生涯の想い出です…。次のスエルは10年後かも知れない?って話もありますが(苦笑)、来シーズンも絶対見たいーーーー!!!